チャレンジ教育部会第6回研究会

日本アクティブ・ラーニング学会チャレンジ教育部会第6回研究会

アクティブ・ラーニングの楽しみ方学びの広さと深さをかけ算してみよう

【日時】

2019年12月7日(土)13時15分~17時50分(受付13時)

【場所】

ふれあい会議室飯田橋No16
飯田橋徒歩1分・B4b出口すぐMSビル201号館
https://www.instabase.jp/space/1734443436

【プログラム】

13:00 受付開始

13:10 開会挨拶

高橋真義(部会座長桜美林大学名誉教授)

13:15 実践報告1

■「自己表現・評価トレーニング」の可能性~「役割分担」についての考察~

米田敬子(文教大学生活科学研究所客員研究員)
高橋真義(桜美林大学名誉教授)

「自己表現・評価トレーニング」は発表、プラス発想での評価、ほめるなどの作業を通し、「安全な場」を創ることを意識づけするグループワークである。参加者全員が発表者、司会者、タイムキーパー、評価者、チームメンバーの5つの役割を分担し、タイムキーパーが時間管理をする。
本発表では、トレーニング後のアンケート調査の結果に基づき、「役割分担」について考察を試みる。短時間に複数の役割を担うことにより、個人としては多様な気づきと体感を得ることができる。グループメンバーとしては、初対面であってもストレスが少なく、相互理解の成果を体感することが可能である。短時間でのコミュニケーション力を高める「自己表現・評価トレーニング」の可能性について検証する。

13:35 実践報告2

■AIとSDGsを結ぶOnomato Pairing~オンラインPBL教材を利用して~

江連千佳(津田塾大学総合政策学部総合政策学科1年)

高校生の時、大学での学びは形骸化しているように見えました。どうしたら、専門家に囲まれた唯一の環境である「大学」という特別な場所を行かせるのか、入学前から考えていました。
そして。大学で学んだことを確実にインプットするためには、アウトプットする場が必要である、と考えるようになりました。そこで挑戦したのがGoogle社から出された「社会課題をAIで解決するビジネスを考えよ」という答えのない問いに答えるMy Future Campusが提供するPBLプログラムでした。
今回は、高校生から外部のPBL教材を使用している私にとって、その位置付けがどう変化したのか、そして「社会課題をAIで解決するビジネスを考えよ」という答えのない問いへ自分はどう答えたのかをお伝えします。

13:55 実践報告3

■大学の授業の枠組みを出るということ〜出会いから生まれたアクティブ・ラーニング〜

古川桃子(東京女子大学現代教養学部人文学科英語文学文化専攻3年)

上京し、大学4年間の中で出会った学び。それらは大学の授業の枠組みを越えたところに広がっていました。旅、インターンシップ、NGOやNPOのプログラム、働く方々が行う出会いの場など、種類は様々です。大学の先生から教わることやそれらがきっかけとなって得られることはたくさんあります。しかし、大学の中だけが学びの場ではない。社会こそが学びの場。そう感じた大学生活でもありました。
当日は、石川県金沢市出身の私が上京し、前のめりに動き出したきっかけ、背景、その時に感じた大切なことを自身の経験と絡めてお話しさせていただきます。
また、大学生である私だからこそ感じる、今学生が求めていることもご紹介いたします。

14:15 実践報告4

■AI時代を時代を生き抜く ~AIと半導体を理解する~

冨吉力生(半導体製造装置会社研究員)

半導体の技術革新にともなって強力なものに成長したAIですが、AIや半導体の技術を把握していない人達が必要以上に騒ぎ立て不安を煽るようなことになっているのではないか。長年半導体関係の業務を経験してきた技術者からは、そのように見えてしまいます。
本発表では、最初にAIや半導体がどのようなものであるかを説明し、それらが現在どのようにして作られているのかを紹介します。
次に半導体と人間の脳の違いを理解し、AIが今後学校や企業にどのようなインパクトを与えていくのかを予想します。
最後に、今後AI時代を生きていくためには、どのようなことに留意して学んでいくべきかを提案します。
教育界とはかけ離れた半導体産業界からの視点・見解となりますが、特に未来を切り開く若い方々の検討材料になればうれしく思います。

14:35 休憩

14:50 実践報告5

■日本語教育とアクティブ・ラーニング~アクティブラーニング実践開始への苦難~

吉田和弘(東瀛学院日本語学校教員)

私が生まれた1980年代に比べ、社会は複雑化してきています。
きっと、ICTの進化につれて、もっと速く複雑化するでしょう。
そんな時、私たちはどうすれば、自分の素直な気持ちを誰かに伝えられるのでしょうか。
もともと、「自分」というものは、「誰か」と関係を持つことによって生まれたものです(故に、「自分の気持ち」が真実であると言い切れるわけではないのかもしれません)。それなら、他者とのつながりを自覚しながら更に多くのつながりを持つことで、「自分」はもっと明確になり、他者のことをより知ることもできます。それがALの最大の効果だと考えます。また、自身の人格を認識し、そ
の「場」で生まれた人格が問題をどう解決するかを知ることも大切です。
しかし、そのALの現場導入は容易ではありません。同僚、学生、非常勤講師……。
今回はそれを課題として、ALの導入の課題について話をさせていただければと存じます。よろしくお願いいたします。

15:10 実践報告6

■英語が苦手な学生に文学作品を用いたアクティブ・ラーニングは可能か

伊東裕起(城西大学語学教育センター助教)

昨今、大学を含む英語教育の現場では、コミュニケーションや資格試験が重視される一方で、文学作品が敬遠される傾向にある。このような状況の中で、教養英語の教材として英語の文学作品を用いることは可能なのだろうか。そもそも、文学を用いて英語を教えたくても、現在の大学の英語教育のカリキュラムは、あるいは学生の英語力はそれを許してくれるのだろうか。また、文学を教えたい教員と、学生のニーズの間でミスマッチは起きていないだろうか。それは文学畑の教員のエゴではないだろうか。そして、文学作品を用いて、英語が苦手な学生に「主体的・対話的で深い学び」のための「アクティブ・ラーニング」の場を提供することは可能なのだろうか。本報告では半ば問題提起という形で、それらの疑問を提示するともに、発表者によるアイルランド文学と俳句の利用の事例(試行錯誤)を紹介する予定である。

15:30 実践報告7

■クリエイティブマインドの開発~誰もがクリエイティブな発想が持てるのか?~

難波俊樹(日本アクティブ・ラーニング学会理事大学講師)

プレゼンテーション、プロジェクト学習などオリジナルな成果を求められる学習の機会が増えている。学習以前にアイデアが発想できず本来の学習にたどりつけない学生・生徒も少なくない。
クリエイティブに発想することが求められてくるが、そういった発想が無から有を生み出すものだと考えて指導にあたっていては力は伸びない。
どのようにしたらクリエイティブにアイデアを生み出せるようになるのか、そのフレームワークと実践について報告したい。

15:50 解題

■大学にとって学生はいかなる存在か~商品、消費者、それとも…~

橋本勝(富山大学教育推進センター副センター長教授)

大学にとって、学生はどんな存在なのでしょう?
社会に送り出す人材という「商品」なのでしょうか。そうであれば製造物責任法的な観点から「教育の質」が問題になります。
あるいは、教育サービスを受ける「消費者」なのでしょうか。それなら、消費者主権という観点から授業料に見合った教育を行うことが社会的説明責任として問われます。
無論、その両面を持っていることは確かですが、私は、それらとは異なる第三の側面があることも重要だと考えています。それは何だと思いますか。
この話題は20年ほど前にFD・SD関係の約800人の大学教職員を前に京都で語ったものですが今も通じる話です。いや、むしろ、その重要度は現在の方が一層高まっているのではないでしょうか。
今一度、参加者の皆さんと一緒に考えてみたいと思います。

16:20 休憩

16:35 グループディスカッション

テーマ:アクティブ・ラーニングの楽しみ方
ファシリテーター米田敬子(文教大学生活科学研究所)

17:15 グループ報告・参加者感想

17:45 総括

17:50 研究会閉会

18:10 情報交換会

参加費実費

《プログラムの主な内容・形式》

本部会では、チャレンジングに「主体的・対話的で深い学び」に取り組んでいる試行錯誤、創意工夫の実践事例と多面的・多角的な研究についての報告をいたします。
第6回の研究会では、アクティブ・ラーニングの楽しみ方について考えます。
グループワークでは、参加者全員が参画し、発表内容をより深化するとともに整理をします。

《プログラムの進め方》

参加者全員が参画するプログラムとします。
参加者は、発表、解題を聞き、気づいたことなどをカード(ポストイット)に記入します。
グループディスカッションでは、カードを縦横無尽に動かしながら、全員ですべての児童生徒学生を主役にするアクティブ・ラーニングについて整理します。
最後に、グループ報告を行い、アクティブ・ラーニングの可能性についての情報を共有します。

《参加対象者》

児童生徒学生の成長を第一に考えて、チャレンジングにアクティブ・ラーニングに取り組み、悪戦苦闘・試行錯誤されている方
アクティブ・ラーニングの授業をおこなうにあたり、授業方針やクラス運営方法などについて悩みを持たれている方
アクティブ・ラーニングに関わる情報やスキルを多くの方と共有・確認されたい方
アクティブ・ラーニングについて、さらに学びを深くされたい方

【問い合わせ】

jalschallenge@yahoo.co.jp担当:米田敬子